亥年によせて~Some thoughts on the word “international language”~

今年は亥年、The year of boar です。
日本の十二支は Japanese zodiacと表せます。
(中国の十二支は12番目の動物が違って、イノシシではなく豚なんだそうです。)

今年の年賀状は、下記サイトを参考にして、世界各国の「イノシシ」という単語を羅列したデザインにしました。
https://www.indifferentlanguages.com/words/boar
80か国以上の言葉で紹介されています。その中に人類共通の「国際補助語」として人工的に作られた「エスペラント語」も入っています。

エスペラント語の存在を知った時、これこそ世界共通して学習すべき言葉だ!と思ったものです。どの国の母語でもなく、どの国の人も勉強しなければならないという点においては公平です。

難しいなと思うのは、ラテン系の語彙を根幹としていることで、習得にハンディがあるだろうことです。特に日本語母語者にとっては、多少距離感がある気がします。
ラテン系言語→フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語など
ゲルマン系言語→英語・ドイツ語・オランダ語・フリージア語・北欧語など
日本語の起源には諸説あるそうです。

また複雑なことや厳密なことを表したい時、本当に正しいのか、エスペラント語の達人でなければ判断できないのではないか?ということです。専門的な分野の場合は、「その分野に強い」+「エスペラント語に強い」が必要で、それを実現するにはどれだけ時間がかかるのだろう?とも思います。

私は「国際補助語」エスペラント語の理念に共感しますが、現実的には英語のエスペラント語化が進んでいると判断するのが自然なのでしょう。会話においては「ネイティブらしい流暢さ」ではなく、意思疎通しやすいシンプルな英語が市民権を得るようになってきたようです。世界共通で使う言葉と認識するなら好ましい流れだと思います。

一方では「自動機械翻訳」が一種の人工言語としてどの国の言葉にも対応できる「国際補助語」になっていくのでしょうか。

また、母語人口だけで見るなら英語の二倍と言われる中国語が、どのような変化を見せるのかも興味深いところです。スペイン語母語者とヒンディー語母語者も英語に迫る数です。政治的・経済的・便宜的に「有益・競争力がある」と考えられるようになれば、学習者は増えるのでしょうか。

私が思ことはつまり、「どこかの国の母語」を「世界の共通語」と無条件に認識することに慎重でいたい、ということなんです。
英語に関しては、「共通語を学んでいる」のではなく「広く使われている外国語を、自分の必要や興味に応じて学んでいる」のだなと思います。

世界に数千とも言われる言語があり、その言葉にはその土地の文化と歴史、生活がつまっているということに面白みを感じます。ただ、言語数はどんどん消滅しているそうです。

1000年後、2000年後、人類が生き延びていたらどんな言語世界が姿を現しているのでしょうか。

TEDのこのプレゼンテーションは興味深いものでした。言語によって世界の捉え方が変わるという内容です。日本語字幕付きです。公式ページ上では30言語の字幕と書き起こし原稿が無料で公開されています。
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