幼児期から外国語を学ぶことの効果と注意点

効果として考えられること。

1.音声面。小さい頃から始め、継続すると、発音や聞き取り能力が身につきやすいのは確かです。ただ何歳から始めても、「恥ずかしがらずに物まねできる人」は音声面は伸びます。

2.内容面。生活に必要な単語や表現を覚えるのは、小さい頃の方が違和感や抵抗が少ないと思います。誰でも「その時」に興味を持っていることを話し、聞き、読み、書きたいはずで、母国語で小さい時に覚える単語は小さいときに覚えておけば後で楽です。

3.記憶面理屈抜きの丸暗記、繰り返しの練習というのは、一般的に幼児期~小学生低学年頃が得意だと思います。そして継続がないと忘れるのも早いです。いろいろ理屈を考えられるようになってくると、ワンクッション挟んで、納得してから覚えるようになります。「理屈抜きで覚える」「理屈で覚える」「覚えることを意識して覚える」のコンビネーションがうまくいくと、効果的だと思います。

私が思う注意点です。

1.耳がいい時期だけに、いい音声を聞かせること。

2.母国語での日常生活に英語を取り入れるというよりは、外国語は外国語という時間で集中すること。集中して覚えたものが日常生活で子どもから出てきたら、にっこりGood!を返したらいいと思います。不自然に遣わなくていい、という意味合いです。

3.学校で行われるテストに対してはテスト勉強が必要になるし、いい点をとるセンスと会話や発音のセンスは重ならない場合もあることを親が知っておくこと。

4. 人と比べないこと。

5.「英語ができてすごい!」んじゃなくて「それができるようになってよかったね!」という姿勢でいること。

<以下リサーチのない感想文>
その昔、外国語というのは、選ばれた人にしかその機会がなかった。
国の行く末を担うリーダー候補が、勉強の機会を与えられたし、留学もした。
だから、明治時代以前に外国語ができる日本人というのは、ステイタスだったのだろうし、話せるというレベルも「内容」に力点が置かれていたのではないかと思う。

だんだん教育の機会が広がって、中学校からは英語が教科になって、英語を「勉強」することが特別ではなくなった。実生活や仕事には使わない人がほとんどだから「訳読」が主だった。文法と読む基礎力はついたと思うが、「話す」「書く」「聞く」を練習しているわけではないから、それらが一般的に苦手なのは当然。戦後流れ込んだアメリカ文化が陽気でまぶしく見えたこともあって、内容には言及されずとも、英語を「流暢に話せる」人がかっこいいと思われる風潮があった。これから義務教育・公教育の英語の授業が変わっていくと伝えられている。聞き、応答し、自分の考えを書いたり話したりする授業とテストが増えていくだろう。

…その授業の変化が、「自分にとって必要なことを、必要に応じて使えること」に繋がることを願っていますし、私もそういうレッスンを目指します。

それからこれは杞憂かもしれないけど、特に小さい子どもたちに思ってほしくないのは、英語が話せたらエライとか、テストの点がいいから英語ができるとか、と勘違いしちゃうこと。いずれ分かってくることではありますけれどね。

勉強してテストの点数が上がったり、実用で使える範囲が広がったりすることに対しては、自分も周りも「よし!」とOKを出せば良いと思います。

それぞれのできることを、他者と比べるためではなく、自分と他者のためにどう使うのかを考えられるように成長してほしいです。