英語の上達法の一つとして、あるいは学習上の注意として、
「日本語で考えるな、英語は英語で考えて」とよく言われます。
私は長い間「え、知ってる英語が少ないのに英語で考えるってできるの???」とピンとこないでいました。
ここ数年「表したいことを”イメージ” して英語の構造で表現すること」が、「英語で考える」ことの一部で、応用範囲も広いのではと思うようになりました。そして、これは英語を学ぶ最初の頃から、教える側も意識することだと思います。
具体的に言うと
・日本語の文法のまま、英単語だけを入れ替えて文を作ろうとしない。
・一つ一つの単語の「意味」ではなく「語順」を意識する。
・主語と動詞を必ず入れる(特に最初にうちはしつこく)
・「言葉」ではなく「イメージ」を掴み、英語の構造と表現で英語にする。
・「和訳」を要求される場合以外は「美しい日本語訳」にこだわらないこと。
(文法と構造理解がまずは第一のポイントで、表現の美しさはハイレベルな部分)
—レッスンでの例—
☆1☆人称代名詞(I, You, He, She, We, They)に伴う肯定文での一般動詞現在形の変化について…平たく言うと、動詞にsがつく、つかない、の説明です。
例)I like dogs. She likes dogs.
(1)「私(I)とあなた(You)、及び二人以上の人が主語の時」
(2)「彼(He)彼女(She)、私とあなた以外の一人が主語の時」
と分けることができ、(2)の場合が変化しますよ。と、さらっと説明をし、例文で理解を深めようと思っていました。が、もやもやの空気が漂いました。
「そもそもどういう時に、HeやSheを使うのか?」がはっきりしていなかったことが、もやもやの原因でした。主語の理解、文法的に言うと、一人称、二人称、三人称、の理解です。
よく言われることですが、日本語では主語を省くことが多い。二人称(あなた)を例にとれば、省くことがとても多い。そして省かない時でも「あなたは」より「○○さん(名前)は」「先生は」「旦那さんは」「お子さんは」など、Youに代わって使います。すべて英語では”You”だけれど、日本語の単語を英語の単語に単純に置き換えようすると、混乱する場合は大いにあります。
(想像した極端な例)
問:「Smith先生、先生はいつも昼ごはんを持ってきてるんですよね?」を英語で言ってみよう。
生徒:「先生」は”Smith teacher”っていうのかな?次の「先生」はYou だよね。…えっもしかして「先生」はteacherだからShe なのか???—>Smith teacher, she usually brings lunch, doesn’t she?
回答例:Ms. Smith, you usually bring lunch, don’t you?
☆2☆人称代名詞の単数、複数についてのレッスンでの話
私(I)=一人称単数 私たち(We)=一人称複数
あなた(You)=二人称単数 あなたたち(You)=二人称複数
彼/彼女(He/She)=三人称単数 彼ら(They)=三人称複数
私:We「私たち」はI「私」の複数…(生徒きょとん)…じゃないね!!」
生徒:「私が増殖したー!!」
生徒:「Youの複数も、「あなた」の複数はコワいー!!」
この場合の「複数」は、「対象人を含む複数名」ということなんですよね。
英語を日本語で説明することは、必要で、理解に役立つという考えでいます。ただ「イメージ」を伴わないと思わぬ誤解を生むこともあるという笑い話でした。
英語だけで英語を学ぶこと、日本語を使って英語を学ぶこと、どちらの長所もあります。
大事なことはいずれにしても「言葉になる前の気持ちや状態(=イメージ)を英語構造で表す」ことではないかと思います。